WordPressでwp_head()の出力をUTF-8からShift-JISに変換して出力する方法

最近のWeb開発ではUTF-8が標準となっていますが、特定の要件によりShift-JISで出力する必要がある場合があります。本記事では、WordPressのwp_head()による出力内容をUTF-8からShift-JISに変換する方法を解説します。


実装環境

以下の環境で動作確認を行いました:

  • WordPress: 6.7.1
  • PHP: 8.3.8
  • MySQL: 8.0.39
  • サーバー: さくらのレンタルサーバー スタンダード

背景

WordPressはデフォルトでUTF-8を使用しており、wp_head()の出力内容もUTF-8エンコードされています。ただし、特定のレガシーシステムや日本国内向けの要件でShift-JISでの出力が必要な場合があります。


方法

コードの全体像

以下のコードを、WordPressテーマのfunctions.phpに追加してください。

add_action('wp_head', function () {
    // バッファリング開始
    ob_start();
}, 0); // 優先度 0 で最初に実行

add_action('wp_head', function () {
    // wp_head の出力内容を取得
    $head_content = ob_get_clean();

    // Shift-JIS にエンコード
    $head_content_shift_jis = mb_convert_encoding($head_content, 'SJIS', 'UTF-8');

    // エンコード後の内容を出力
    echo $head_content_shift_jis;
}, PHP_INT_MAX); // 最後に実行

コードの解説

1. ob_start()でバッファリングを開始

最初のadd_action内でob_start()を呼び出し、wp_head()の出力内容を一時的にキャプチャします。

add_action('wp_head', function () {
    ob_start();
}, 0); // 優先度 0 で最初に実行

2. 出力内容を取得してShift-JISに変換

次のadd_actionでバッファリングした内容をob_get_clean()で取得し、mb_convert_encoding()関数を使用してUTF-8からShift-JISに変換します。

add_action('wp_head', function () {
    $head_content = ob_get_clean();
    $head_content_shift_jis = mb_convert_encoding($head_content, 'SJIS', 'UTF-8');
    echo $head_content_shift_jis;
}, PHP_INT_MAX); // 最後に実行
  • mb_convert_encoding():
  • 第一引数:変換する文字列($head_content
  • 第二引数:出力したいエンコーディング(SJIS
  • 第三引数:元のエンコーディング(UTF-8

3. 優先度の設定

優先度をPHP_INT_MAXに設定することで、他のwp_headアクションの処理が終わった後にこの処理が実行されます。


注意事項

  1. 文字化けのリスク
  • Shift-JISに変換できない文字(絵文字や一部の記号など)が含まれる場合、変換が失敗して文字化けする可能性があります。その場合、事前にエラーハンドリングを追加してください。
   if ($head_content_shift_jis === false) {
       echo 'エンコードに失敗しました';
   }
  1. メタタグの確認
    wp_headの中で出力される<meta charset="UTF-8">を削除し、Shift-JIS用のメタタグを追加する必要があります。
   add_action('wp_head', function () {
       echo '<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=Shift_JIS">' . "\n";
   }, 1);
  1. SEOやブラウザ互換性
    現在のウェブ標準ではUTF-8が推奨されており、Shift-JISを使用すると検索エンジンのインデックスやブラウザの表示に影響が出る可能性があります。

動作確認

1. 正常にShift-JISに変換されているか確認

ブラウザでページソースを表示し、以下の点を確認してください:

  • <meta charset="Shift_JIS">が正しく出力されている。
  • 特殊文字が含まれていても文字化けしていない。

2. サーバーログの確認

変換が失敗した場合や特殊文字によるエラーが発生した場合、PHPエラーログに記録される可能性があります。必要に応じてサーバーログを確認してください。


まとめ

本記事では、WordPressのwp_head()出力内容をUTF-8からShift-JISにエンコードする方法を解説しました。この方法は、特定の要件でShift-JISが必要な場合に非常に有効です。ただし、現在の標準はUTF-8であるため、Shift-JISを使用する場合は互換性やSEOへの影響を十分に考慮してください。

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