Laravel Sail 環境で動作している Laravel アプリケーションのフロントエンドを、Bootstrap から TailwindCSS へ切り替える方法をご紹介します。
前提条件
- Laravel Sail 環境がセットアップされていること
- 既にアプリケーションで Bootstrap を利用していること
- Node.js および npm がインストールされていること(Laravel Sail に含まれています)
1. TailwindCSS をインストールする
まずは、TailwindCSS をインストールします。以下のコマンドを実行して、TailwindCSS をプロジェクトに追加します。
./vendor/bin/sail npm install -D tailwindcss postcss autoprefixer
-D
オプションを使用して、開発依存としてインストールします。
2. TailwindCSS の設定ファイルを作成する
次に、TailwindCSS の設定ファイルを生成します。./vendor/bin/sail
を使ってコマンドを実行します。
./vendor/bin/sail npx tailwindcss init
これで、tailwind.config.js
というファイルがプロジェクトのルートディレクトリに生成されます。
3. PostCSS の設定ファイルを作成する
TailwindCSS を使用するには、PostCSS の設定ファイルも必要です。postcss.config.cjs
というファイルを手動で作成します。
以下のコマンドで、PostCSS 設定ファイルを作成します。
echo "module.exports = {
plugins: {
tailwindcss: {},
autoprefixer: {},
}
};" > postcss.config.cjs
これにより、postcss.config.cjs
ファイルが生成され、TailwindCSS と Autoprefixer が有効になります。
4. TailwindCSS の設定ファイルを修正する
tailwind.config.js
の content
セクションに、Blade ファイルや JavaScript ファイルを含める設定を追加します。
module.exports = {
content: [
'./resources/views/**/*.blade.php',
'./resources/js/**/*.js',
],
theme: {
extend: {},
},
plugins: [],
}
5. CSS ファイルを更新する
次に、TailwindCSS を使うために、resources/css/app.css
を更新します。
既存の Bootstrap の CSS を削除し、TailwindCSS の基本設定を追加します。
@tailwind base;
@tailwind components;
@tailwind utilities;
6. Laravel アプリケーションでの変更箇所
- Blade テンプレートで、これまでの Bootstrap のクラスを削除し、TailwindCSS のクラスを追加します。例えば、
<div class="container">
を<div class="max-w-7xl mx-auto">
のように置き換えます。
7. TailwindCSS のビルドを実行する
次に、TailwindCSS をビルドします。開発用のビルドは以下のコマンドで実行できます。
./vendor/bin/sail npm run dev
本番用のビルドは次のコマンドで実行します。
./vendor/bin/sail npm run build
8. アプリケーションの表示確認
これで、Laravel Sail 環境で TailwindCSS が導入され、フロントエンドのデザインが反映されているかを確認できます。
9. 各種バージョン情報
今回の切り替え作業に使用した環境のバージョン情報は以下の通りです。
- Laravel: 11.27.2
- PHP: 8.3.12
- Node.js: 18.16.1
- npm: 9.6.7
- TailwindCSS: 3.4.13
- PostCSS: 8.4.24
- Autoprefixer: 10.4.14
- MySQL: 8.0.32
- Composer: 2.8.1
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