自社の便利ツール集「シルギア」に、法定相続分・遺留分の計算ツールを1本追加して公開しました。条文の分岐がそのまま仕様になる題材で、AI駆動開発で「速さ」と「正しさ」を両立できるかを実証した事例です。
▶ 公開中のツール:相続の取り分がわかるツール(シルギア)
何を作ったか
家族構成を選ぶだけで、民法どおりの取り分を分数と割合で表示するツールです。代襲相続(孫・甥姪)、父母の一方だけが同じ兄弟姉妹(半血)、遺留分の按分まで扱います。

人が方針を決め、AIが実装、機械がテストで検算します。速さと正しさを両立させる進め方です。
「条文の分岐がそのまま仕様になる」相続の計算を選び、“計算とテストを分ける”方針だけ先に決めました。
計算ロジックを画面から切り離し、民法の条文ごとにテストを書きながら実装しました。
実際に流して、遺留分の計算誤り(配偶者を8分の3としていた/正しくは2分の1)を公開前に発見しました。
内容を確認し、便利ツール集「シルギア」に公開。着手から本番公開まで13分でした。
この13分は、共有デザインや公開手順などの“土台”が整っている状態に1本足した時間です。ゼロから作った時間ではありません。
結果(かんたんに)
着手から本番公開まで12分56秒(既存の仕組みに1本追加した時間)。民法の条文ごとにテスト21件を書き、すべて通過しました。
テストが法律の誤りを1件、公開前に捕まえた
遺留分の計算過程で、配偶者と兄弟姉妹が相続人のケースの配偶者の遺留分が 8分の3 になっていました。正しくは、兄弟姉妹は遺留分をもたないため 配偶者は2分の1 です。テストが無ければ、法律の誤りを載せたまま公開していました。速く作れることより、間違いに気づける仕組みがあることのほうが価値があります。
この進め方は、料金表・業務規程・法令のように「条件分岐がそのまま仕様になる」システムに向いています。ご相談はお問い合わせから。
技術構成
- バニラ HTML / CSS / JS。フレームワーク・バンドラ・外部パッケージなし
- 割合は分数(有理数)のまま計算し、3分の1のような値でも丸め誤差が出ない
- PWA 対応でオフライン動作
計算ロジックをUIから分離し、条文ごとのテストで守りながら実装しました。
分数(有理数)のまま計算し丸め誤差なし。900条1〜4号 / 887② / 889 / 890 / 1042 を条文ごとに固定。37.7KB/応答開始 0.08〜0.11秒/外部パッケージ 0。フレームワーク・バンドラ不使用のバニラ構成。共有デザイン・公開手順が整った土台に1本追加したため、着手〜公開が12分56秒に収まりました。
結果(実測)
| 項目 | 実測値 |
|---|---|
| リポジトリ把握から本番公開まで | 12分56秒 |
| テスト | 21件(条文ごと)すべて通過 |
| 追加した転送量 | 37.7KB |
| 応答開始まで | 0.08〜0.11秒 |
| 外部パッケージ | 0 |
学び・設計判断
- 速さは品質とセットでしか意味がない。先にテストを用意したから、公開前に誤りを見つけられました。
- AIに任せる範囲を、テストできる形に切っておく。計算をUIから分離したので条文単位で検証できました。
- 土台があるから速い。共有デザイン・公開手順が整った状態に1本足した時間です。
ここは測っていない(正直な範囲)
- Lighthouse スコア … PageSpeed Insights のクォータ超過で取得できていません
- AI利用コスト(いくらで作れたか)… 計測手段が無く実測していません
- 「従来比◯割の工数」… 社内の目安見積が未設定です
- 公開後の不具合件数 … 公開直後のため未計測
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