AIエージェントが効く場面、効かない場面を測る

「AIが自分で考えて作業する」——エージェントと呼ばれる仕組みです。実際に作って、人が書いた固定手順と比べました。結果は、同じでした。時間と費用だけが増えました。どこで効いて、どこで効かないのかを切り分けた事例です。

何を作ったか

URLを渡すと、AIが調べる項目を自分で選んで順に実行し、サイトの持ち主に分かる言葉で診断レポートにまとめる仕組みです。調べるのは7項目——表示の応答速度、SSL証明書の期限、ドメインの期限、SEOの基本設定、リンク切れ、法令表記の有無、セキュリティ設定。

数値はすべてプログラムが実測します。AIがするのは「どれを、どの順で調べるか」を決めることと、結果を平易な文章にまとめることだけです。

処理の流れと役割 ─ 自動サイト診断

URLを渡すと自動でサイトを診断します。数値はプログラムが実測し、AIは段取りと要約だけを担当します。

担当者(人)AI(Claude)自動処理(プログラム)
1
担当者(人)
診断したいURLを渡す

対象は事前に許可したサイトのみ。それ以外は実行しません。

2
AI(Claude)
調べる順番を決める

どの項目をどの順で調べるかをAIが判断します。(※今回の検証では、人が書いた固定手順と実質同じでした)

3
自動処理(プログラム)
7項目を実測する

応答速度・SSL期限・ドメイン期限・SEO基本・リンク切れ・法令表記・セキュリティ設定を、プログラムが実際に測定します。

ポイント:数値はすべてプログラムの実測。AIには数値を作らせません。
4
AI(Claude)
結果を平易な文章にまとめる

サイトの持ち主に分かる言葉でレポート化。数値そのものには触れさせません。

5
担当者(人)
確認して提示する

内容を人が確認してからお渡しします。

結果

自社5サイトを、2つのやり方で診断しました。道具もレポートの作り方も同じで、違うのは「調べる順番を誰が決めるか」だけです。

使った項目所要時間1回あたりの費用
人が書いた固定手順7項目35.1秒3.05円
AIが決める(エージェント)7項目67.0秒5.95円
自社5サイトでの平均。サイトの規模で変わります。

AIは5サイトすべてで、7項目を全部調べました(順番も5サイト中4サイトで完全に同じ)。検査そのものは両方式とも約14秒で、差の32秒はすべてAIが「次に何をするか」を考えていた時間です。つまりAIが決めた段取りは、人が書いた手順と実質同じで、そこに時間1.9倍・費用2.0倍を払っていたことになります。

AIが決める場合と固定手順の比較
AIが決める場合と固定手順の比較。使う項目は同じで、時間と費用だけが増えました。

AIは正しかった。間違っていたのは道具だった

診断が「このサイトに会社情報が見当たりません」と報告しました。しかし実際にはフッターに「運営者情報」があります。原因は判定に使う言葉で、「会社概要」「運営会社」「企業情報」しか探しておらず、「運営者情報」を拾えていなかったのです。

AIは、渡された結果を正確に伝えただけでした。「AIに数値を作らせない」を徹底しても、渡す数値が間違っていれば、正しく間違いを伝えます。確かめるべきはAIだけではありませんでした。

「AIエージェントを入れれば効率化できる」とは限りません。効く場面かどうかを、小さく作って測るところからご支援します。ご相談はお問い合わせから。